「柏原真希いるか?」

休み時間、違うクラスの青柳があたしのクラスに来た。

もちろんクラスの女子はあたしをまた睨む。


「な、何よ。」

警戒心バリバリで話しかける。

「そこまで避けられてるのかよ。」


「早く用件を言って。」

「おー、これありがとな。」


差し出してきたのはあたしの傘。

綺麗に畳まれているから意外だと思ってしまったのは口に出さない。

「ど、どうも。」


「パンもうまかった。お前料理得意なんだな。」

「一応、料理部なんだからそれぐらいできるわよ。」


「ふーん。料理部なのか。」


ニヤッと笑う青柳に警戒心はUPしたが不覚にもかっこいいと思ってしまった。


「用は済んだでしょ、帰って。」

青柳が後ろを向いたのに進まない。


背中をぐいぐいと押すとがっしりしていて男の人なんだと思った。


「また、来るから。」

首だけ振り返らせてそう言った。