ドサッ…




あたしを一番入口に近いベットにおろした真木は、グルリと保健室を見渡して。




「…いないですね、先生」



「…だな」




今無駄に暴れたせいで余計具合悪くなった。




ボフッとベットに倒れこむ。





頭いてぇ…





「大丈夫ですか?」




目をつむって耐えていると、心配そうな真木の声が聞こえた。





「あー…大丈夫。寝てれば治るから…それよりお前は早く試合に戻れ。
ありがとな、わざわざ…」




お姫様抱っこはだいぶ余計だったけどな。



でも実際、自分で歩くのが辛かったのは事実だ。





「…センパイが寂しいって言うんだったら傍にいますよ?」



…は?



「…何だそれ。別に寂しくないし…とっとと帰れ」




お前がいないとチームが困んだろ。




グワングワンする頭のまま何とか言葉を紡いでいると、





「…ほんと、センパイって可愛くないですね」





そんな声とともに




チュッ…





軽く唇に何かが触れた。