文化祭の日、クラスメイトの話によると、とても楽しそうに会話をしていたらしい。遠くにいたため、詳しい内容は知らないとのこと。

「なんでこんな気持ちになるのかな」

 恋って何?そもそも私たちはそんな関係じゃない。こんな気持ちに押しつぶされそうになるなんて。嫌になってくる。
 天井を眺めることが多くなった。こんなことをしても何にもならないのに。

「幽霊でもいるのか?」
「きゃあ!」
「俺を見て悲鳴を上げるとは失礼な」
「ごめん」
「どうした?」
「ど、どうもしないよ」

 慌てて目をそらす。支樹のせいでこんな状態になっているのだから。
 いっそのこと、問いただそうかな。どうしよう・・・・・・。

「何か言いたげだな」
「支樹、文化祭の日に初美と何の話をしていたの?」
「誰かが教えたのか」

 支樹は一瞬笑ったが、すぐに口元を引き締めた。

「なんで知る必要がある?」
「えっと・・・・・・」
「俺たちはまだ恋人じゃないだろ?兄妹みたいな関係をあとどのくらい続ける?」
「急に何を・・・・・・」
「俺が琴音を好きなのはわかっているだろう?返事をもらってもいいよな」
「そ、それは・・・・・・」