「砂糖とミルク、入れますか?」

「いや、ブラックでいい」

キッチンに向かった火茂瀬に伝え、僕は上等な革のソファーに腰掛ける。

広々としたリビング。

部屋数が多い。

落ち着いた色合いの家具。

誰かと暮らしているのだろうか。

「はい。どうぞ」

背の低いガラステーブルにマグカップを2つ置いた。

「あの、俺を捕まえないんですか?」