恍惚と光る青白い月が、雲で見え隠れする12月の寒い夜。

鳥肌を立たせる冷たい風が吹き抜ける森に、落ち葉を踏む2人の足音が響いていた。

「はぁ……はぁ……」

俺は寒さも忘れ、息が上がっている男を追う。

男は何度も振り返り、恐怖に歪んだ顔で俺を見る。

「な、何なんだよッ!?……お前誰だよっ!?」

男の質問には答えず、コートの内ポケットから出した麻酔銃を撃つ。

森の真ん中で倒れた男は、速効性の麻酔で強制的に意識を手放した。

倒れた衝撃で砂埃と落ち葉が舞う。

俺は慣れた手付きで男を仰向けにし、衣服を脱がし、真冬の森で下着姿にした。