ケータイ小説 野いちご

【短編】甘い野獣を愛してる

ビター・ブラックチョコレート(セリナside)

 





 キーーーッ!

 なんなのよ、あの女!!

 今回の映画用の女優だっけ?

 マリアとかっていう、あの、すっっっごい地味な女!!

 信じらんない!

 ヒロトは『チョコを持って帰れ』って言ったのに!!

 結局、ヒロトと二人で食べたんじゃないっっ!!!

 ここはあたし、セリナと、ヒロトのベッドルームなのよ!

 なのに、よくも、シーツと上掛けのカバーにチョコレートのシミなんて、つけてくれたわね!

 しかも、ベッドサイドに、食べかけのチョコまでおいてあるなんて!!

 これは、わざとね!?

 あたしが、脱ぎっぱなしにしておいた下着の腹いせに、マリアがやったんだわ!

 超~~地味なクセに、えげつないことしてくれるじゃない!

 ヒロトも、ヒロトよ!

 あたしだって、あんたのこと好きなのに!!

 ほかの女を愛した後始末を、あたしにさせるの……?

 ヒロト!

 あんたがいくら不摂生をしてて、チョコとお酒しか口にしなくてもキレイな肌と体形を保っていられるのは、ね!

 あんたが『俳優体質』なんてふざけたカラダしてんじゃなく!

 あんたの知らないうちに、このあたしが努力してるから、なのよ!

 わかる!?

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