昼休み中、竹内君は私と手を繋いだまま当番の仕事をこなし、その横でいたーい視線を送ってくる沖本君。

その間も

「…どうなってんだ…」

と、ブツブツ呟く。

「慎、煩い!」


そのとき

「琴葉!」

なぜか、図書室に有紗がやって来た。

「頑張って…る?」

有紗の視線が竹内君の手と繋がれた私の手で止まっている。

「あっ…有紗…これは…ね」

有紗になんて…説明する?

「あれ?有紗じゃん」

沖本君が横からヒョイと顔を出す。

「え?…あー慎…アンタも図書委員なんだ」

あれ?沖本君と有紗って…知り合いだったの?

「なんだ、お前ら知り合い?」

「あー…1年のとき同じ体育委員だったんだ」

――…そういえば有紗は去年も体育委員だったっけ。

「そうそう…ってそれよりも…琴葉?それはどういうことかな?」

有紗は私と竹内君の繋がれた手を指差した。

「……これはー……」