「はぁ…」

「どうしたの?花ちゃん、ため息なんかついて」

デスクで伸びる私に、原田さんが声をかけてきた。

「いえ…。どうって事もないんですけど」

「変な花ちゃん。そうそう、今夜、新しく入ってきた人の歓迎会やるんだけど、花ちゃん来るでしょ?」

「ああ、そうですね。行きます」

こういう時、雅貴との関係が秘密でなければ、原田さんに相談出来るのになぁ…。

川上くんとの会話を聞かれてから、雅貴は出張で会えていない。

電話もメールもなくて、言い訳すら出来ていない状況だ。