こんな事になって、

自分の気持ちに気づくなんて、

なんて私はバカなんだろう。

・・・

普段は見せない笑顔に、

時に見せる甘い言動に、

胸は高鳴っていたと言うのに。

・・・

次の日、

私はどんな顔をして会えばいいのか、

分からないでいた。

・・・

「おはよう・・・って、

どうしたの亜紀?」

私の顔をマジマジと覗き込みながら、

問いかけてきた光輝。

・・・

一晩中泣いていたせいか、

目がウサギのように赤いまま、

出社する羽目になった。

・・・

私は作り笑いを浮かべ、

「…夜遅くまで、友達と

飲み明かしたせいで、目が赤いですよね?」

なんて嘘までついて・・・

「飲み過ぎは、美容の大敵だよ?」

光輝はそう言って少し笑うと、

私の頭を撫で、仕事を始めた。