樹先輩の別荘へお邪魔することになった当日、私は着替やら宿題やらを詰め込んだキャリーバックを横に置いたまま、呆然と立ち尽くしていた。


「亜美、荷物こっち」


そう言って樹先輩が荷物を運んでくれるのに、『ありがとう』と言うことだって忘れている。


だって…だって、ね?


今私の家の前に大きな白い車が止まってるの。