俺は勝俣と汐見から離れ家に着いて、すぐにパソコンを起動させた。


「さて……全てをあらわにしてやるぜ。曽野宮、俺がお前の無念を晴らしてやるからな」


少女の轢き逃げ事件。
それから少女の呪いは始まった。
普通ならここで誰もが呪いだと信じるとこだ。

だが俺は曽野宮から勝俣が敵だという情報を得ている。

それだから簡単だ、呪いなんてものは存在しない。
勝俣が都合よく《呪い》という言葉を使っているだけだ。

じゃあ何故わざわざ過去の少女の轢き逃げ事件を話にもってきたってことになる。

呪いとして使いやすいからという点もある。
だけどそれなら他にも呪いとして使える事件なんて腐る程ある。


気になるのは少女の轢き逃げ事件、これは去年の二月の話。
そして今は六月。

こんな前の事件を呪いとして使うのなら何故勝俣はもっと最近起こった事件を呪いとして使わないんだろうか。

「よく考えろ……頭を落ち着かせろ、クールダウンさせろ……」


俺は目を瞑り、頭の回転を上げていく。