ケータイ小説 野いちご

きみと泳ぐ、夏色の明日

10M それは遠く果てしなく


***


週明けの月曜日。

来週から夏休みってこともあり、学校は朝から大掃除。これで午前中の授業が潰れるのはありがたいんだけど……。


「そっち半分、間宮の陣地だからな」

陣地とか、バカらしい。

今日も気温は30℃超えだっていうのに、なんで任された掃除場所が暑い中庭で、なんで暑苦しい須賀なんかと一緒なの?


「そう言ってる須賀だって、ぜんぜん自分の場所の草取り終わってないじゃん」

私の気持ちを代弁するように紗香が言ってくれた。


「紗香がいてくれて本当によかったよ」

「いや、私1階の窓拭き担当だからね」

紗香は窓を開けて窓ぶちに片足を乗せながら雑巾で外側を拭いている。

場所は違っても近いってだけで、私は助かる。


「つーかなんでこんなに草生えてんの?」

「知らない。草に聞けば」

先生から渡された透明のビニール袋は次々と引き抜いた草でいっぱいになっていく。

須賀はこういうの真っ先にサボりそうなのに、教室では机は廊下に出されちゃったし、各部屋ぜんぶが掃除の範囲だから、逃げられなかったらしい。


「あー暑っ……。炭酸飲みたい」

須賀は手よりも口ばかりが動く。


「いつもフライパンみたいに熱い屋上で寝てるじゃん」

「アレはアレ。コレはコレだよ」

「………」

つまり暑い中、昼寝はできるけど草取りはできないってことか。


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