ケータイ小説 野いちご

きみと泳ぐ、夏色の明日

7M  知らない味がした


***


そして週明けの月曜日がきた。

これからまた憂鬱な1週間がはじまると思うとやる気はいつも以上に出ない。


「すず、おはよう」

「んー紗香おはよ」

「はは、朝から眠そうだね。週末はなにしてたの?」

「……ただゴロゴロしてただけだよ」

紗香に須賀と出掛けたことは言わなかった。

だってあれは不本意っていうか……。スイミングスクールに行くと最初に行ってくれたら私は確実に付いていかなかったと思うから。


「須賀おはよー。あ、まだ髪の毛濡れてる!」

「本当だ!前髪下がってて可愛い~」

須賀が朝練を終えて教室に入ってくると女子たちはいつものように話しかけはじめた。


……やっぱりこれはモテてるって言うのかな?

でも圭吾くんが練習にきた時は須賀のことなんて二の次って感じだったし。まあ、女子は男子が思ってる以上に要領のいい生き物だからな。


「おはよ」

席に着いた須賀と目が合ってしまい、自然な流れで挨拶された。


「うん」

私の返事はシンプル。


「うんってなんだよ」

須賀はそう笑いながら耳にイヤホンを付けて早くも寝る体勢。


須賀と私の距離は調子のいいクラスメイトの女子たちよりもずっと離れている。

須賀とは話しかけられれば普通に返すし、用があれば自分から話すこともある。だけどその距離は一定を保ったまま。

電車に乗って肩が触れあっても、休日を一緒に過ごしたとしてもそれは変わらない。


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