「ねえ、礼奈ってさ、

あれだけ倉沢くんと一緒に居て好きにならないの?」

「ん…?」


いつも通り、シンが届けてくれたお弁当を食べている昼休み。

一緒に食べてる女の子のひとりがそんな事を言い出した。


「好き…、って言われてもなあ」

「いやいやいや、あれは普通惚れるでしょ!」

「そうなの?」

「顔はいいし、頭もいいし!」

「シンは優しいよ!」

「ほら、惚れてもおかしくないじゃん!」


シンのいい所はいっぱい知ってる。

でも、好きかどうか言われるとわからない。


「じゃあ、他に好きな人は?」

「好きな人~…?」