レナに会いに教室に行ったら、藤原に掴まった。


「礼奈から聞いた。付き合う事になったんだってね」

「まぁな」

「よかったじゃん」

「ああ。お陰でレナも多少自立したし」

「…ん?」

「一人で起きたり、弁当自分で持って来たり。俺に甘える事が減った。

あいつ、天然ではあるけど本当はそれなりにしっかりしてるから」

「それ、倉沢的には寂しかったりしないの?」

「別に。むしろ、子どもの成長を喜ぶ親の気分」

「ああそう…」

「これからは堂々と彼氏だって言えるから、

表立って出来る事も増えたし」

「たとえば?」

「今まではレナへの告白を未然に防いだり妨害してたけど、

これからは俺の女だって言えるだろ」

「下衆」