"大事なものは失ってから気づく"と言うけれど、
本当に大事なものは失う前から大切だ。
離れてみて思った事がある。
自分は甘え過ぎていた事を実感したし、
"迷い"や"不安"という言葉を飾りに翔の事を見ていなかった。
「だからね、今度は私が会いに行くの。
翔が待ってるとは思わない。でも会いたいから、行くの」
「…そう」
優しく微笑む樹は、
「振られたら慰めてあげるわ」と茶化して送り出してくれた。
「会いに行く」と約束した夏の日。
一度だけ聞いた住所を頼りに、翔の元へ向かった。
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