―ピピピピピ…


無機質な機械音が、起きなければいけない事を告げる。


「…んー…」


なかなか開いてくれない目を擦り、音を奏でた主を見る。

この目ざまし時計は、
彼氏である翔が引っ越し祝いに買ってくれた物だ。



―「茉柚はほっとくとすぐ寝坊するから、大音量のを選んだんだ」



「…えへ」


へらりと頬を緩めてから、ベッドを抜けた。

今日は大学の入学式だ。