死神っていうのはね、魂を狩るんだよ。



「ごっちー♪」



目の前に転がる屍の前で手を合わせ、礼儀正しく頭を下げる。


"食事"の後は、必ず手を合わせなきゃでしょう。


ふよふよ浮くこの体は誰にも見えていない。むしろ、見える方がオカシイのだ。



「さてさて……お次は誰を喰らえばいいのかな…。んん?女の子かー。僕、女の子の魂だーい好き。

甘くってふわふわしてるんだよな~」



自前の大鎌を肩にかけ、ポケットから取り出した書類には愛らしい女の子の写真が載っていた。


場所は病院。

しかもここ1年はベッド生活とな。


昏睡状態じゃないからなぁ…………ってことは、無理矢理にでも魂引き剥がさなきゃか。



「名前は……っと、わあお。名前まで可愛らしい。会うのが楽しみだな~」



書類を仕舞い、今魂を狩られた者の書類を今度は取り出す。


火の玉で炙ればジリジリと焦げくさい臭いが広がる。



「ばいばーい。地獄行きの皆サマ~」



焼かれた書類に載っている人たちは、強制的に地獄へ送還される。


天国へ行く場合はどうかって?


さァ?上司(神サマ)と閻魔サマの機嫌次第ですよ。




僕たちはただ狩るだけ。




それが【死神】の仕事ですから、ね?