そんなこんなで、現在に至るというわけだ。




「あぁ……もうっ!誰かいないの?」


呟いたって誰もいないのはわかってる。



だけど、ラブレターをくれた人が待ち合わせ場所に来てくれれば。


そんな期待を込めながら耳を澄ませているけど、シーンと静まり返った中では物音一つさえ聞こえて来ない。


テスト前だから部活をしている生徒もいないし、校舎と体育館がある場所は離れているため人の声すらしない。


日が沈み始めて来た事だけは、天窓から差し込むオレンジ色の光でかろうじてわかった。


頼みの綱のスマホも圏外で全然役に立たないし、カバンもここに一緒に存在するから、教室に私がまだ残っているという痕跡は残されていない。


唯一の頼りは見回りに来た先生だけど、校舎から離れたこんな場所まで見回りに来るだろうか。


うちの学校の先生、面倒くさがり屋が多そうだし。


こんな時に限って、嫌な事ばかりが浮かんで来る。