高野君に余命のことを告白した翌日、熱が出た。

高熱だったから気が滅入ったけど、結果的にはよかったのかもしれない。

アドレスを交換したばかりの瀬川さんに休むとメールを送り、ベッドの中に入る。

そして、昨日のことを思い出していた。



名良橋君からの呼び出しでファミレスに行ったものの、私と高野君の顔は酷いものだった。

私達を見てぎょっとした皆は、その場を明るく盛り上げてくれたけど。

名良橋君だけ――笑ってなかった。



「……ゲホッ」



高野君に言ったのは、私のバスケに対する想いと、時間がないことだけだ。

一人暮らしをしていることと、家族のことは言えなかった。

いきなり死ぬなんて言われて戸惑っている筈なのに、その上家族の問題まで押し付けることが出来なくて。