『この1時間は、各自ペアを作って二人三脚の練習しろよー』



スピーカーを使って体育の先生がそう言い終えた後、騒がしくなるみんな。



この時間は、百合丘女子のグラウンドで練習をする。


二人三脚は2年の種目だから、ここにいるのは、百合丘女子と桐山男子の2年だけ。



ペアか……。


めんどくさっ!



いよいよ始まった体育祭の種目練習。


こんなもののために、体育の授業を犠牲にするのはおかしいと思うけど。


今年は特殊だからなー……。



「知紗っ!ペアどうする?」


霞があたしの横に立って、顔を覗き込んでくる。


あれ?あたしいつの間にかうつむいてたのか……。



「霞はもう決まってるよね?」

「うん、あたしは魁斗と組むよ」