・・・夢か?・・・きっと夢だ。
自分でもなんてベタなんだ、とは思ったが、オレはほっぺをつねる。

「いてぇっ!!」

目は、覚めなかった。まだ目の前にまげの男2人組が見える。

「この小僧、一体何がしてえんだ?」

「自分の頬をつねるだなんて・・・なぁ?」

オレは不思議がっている2人に、かなり勇気はいったが問いかけてみた。

「あの!ここってどこですか!?」

いきなり大声を上げたオレに驚いたのか、2人はビクッとした。

「どこって・・・ 江戸だけど。」

江戸?東京まできちまったのか?いや、その前に。
江戸だって?現代には江戸なんて言う奴はいねえはず。
じゃあ・・・今は・・・江戸時代?
まさか。京都の映画村かなにかだろう。

「あの、・・・ちなみに時代は・・・?」

おそるおそるたずねると、

「江戸時代。」

と、一番嫌な答えが返ってきてしまった。
オレの予想は当たり。
これは現実。
じゃあ、タイムスリップしたって事・・・!?
オレは、まだ目の前の現実が信じられなかった。