翌日。
オレは菊池さんに理由を話し、菊池さんにも怒られてから屯所へ出発した。

歩いている間、昨日の夜のことを思い出していた。
バサバサと躊躇なく、新選組の奴らは浪士達を殺した。
返り血を浴びて、罪悪感に襲われなかったのだろうか。
血を見て、吐き気はしなかったんだろうか。
オレは血の海を見て、逃げ出したくなったのに。
池田屋でのあいつらを思い出すと、同時に兄さんのことも思い出す。

あいつらと兄さんはオレの中で共通するてんがある。
言いたくないけど、「殺人者」だと思った。
でも、あいつらは「仕事」で、国を浪士から守るために殺してるんだ。
あいつらは「正義」で兄さんは「悪」。
オレは心の中で必死にあいつらと兄さんは違うんだと言い聞かせた。

そんな事を考えていたら、あっという間に屯所についた。