6月も半ばを過ぎた頃。



朝、起きてリビングに行き、朝食を頬張
っていると、燐ちゃんが顔をしかめなが
らやって来た。



「……天気悪いな……」



カーテンを手の甲で退けながら、曇天を
見上げてそう呟く。



もう梅雨だからなぁ……。



それにさっき、テレビで雷雨の可能性っ
ていってたかも。



「よし。澪」


「ん?どうしたの、燐ちゃん」



不意に私を呼んだ燐ちゃんに首を傾げる
と燐ちゃんがニッコリと笑った。



「放課後、迎えに行ってやるよ」


「えっ!?」


「こんな天気だし、心配だからさ?」



親指で窓の外を示しながらそう言う燐ち
ゃん。



「え、でも悪いし……!それに、大学は
?」