分からない問題になるとわたしは髪の毛を触る癖がある。 右手はシャーペンを握ってて、もう片方の手は頭に。 「あんたハゲるよ」 そんなことを言いながらリビングに入ってきたお姉ちゃん。 お父さんとお母さんはお出かけ中で今は家にわたしとお姉ちゃんの二人しかいない。 「今日さ、家に梨菜が来るから」 「りなって誰?」 ノートから視線をあげてキッチンに立つお姉ちゃんの方に顔を向ける。 「郁磨くんの姉。大上梨菜」