有紗にとっては、何でも好きなことができ、両親にも叱られない。

こんな好都合な主治医はいなかった。


これでは、治療にならない・・・・私はすぐに思った。




そんなある日、有紗は、私に「小説を書いてきたから、見て欲しい。」と、A4の紙2枚を持ってきた。

なんでも受賞し、お金を出せば、雑誌に載せてくれるらしかった。


「菜花、これ読んで。」


私はその時たまたま忙しく、その場ですぐに読むことは出来なかった。


「わかった。後で読むね。」と私はその原稿を預かった。