「総兄――――!! 遊ぼっ!!」 壬生寺の境内で、駆け回る小さな子供。 「はい、いいですよ」 早く早く、と僕の手を引っ張っていく小さな手の平。 柔らかな日差しの中―――― 境内にはこの少年、誠太郎【セイタロウ】の声が響き渡る。 親に捨てられ、京の親戚に預けられた誠太郎。 出逢ったのは1年前。 誠太郎が9歳の時だった。