「こんにちは」
「やあ、よく来たね」
「お招き頂きありがとうございます……と言うべきか?」
「いいや、あんたが呼んだんだろう?」
「まぁ……うん、そうだけど」
「何緊張してんだい」
「だってさ、たぶん一番強いわけじゃん。私の子の中では」
「花王とは互角くらいだと思うよ」
「花王は完全に防御系じゃん。……攻撃させても強いけど」
「純粋な攻撃力では勝っているかもねぇ」
「そこはほら、神様なわけだから」
「確かに。神としては強い方が上等かな」
「死神さんは知らないけどね」
「戦う理由がないよ」
「んー……思い浮かばないな。ま、戦わない方がいいさ」
「心情的にもね」
「初は昔からあの人のこと好きだもんねぇ」
「初めての、そして最後の飼い主さ。そして、同情もしていたんだろう」
「同情?」
「かわいそうだと、そう思っていたのかもしれない。飼い猫風情にそんなこと思われたくはなかっただろうが」
「……どうなんだろうね。でもさ、勝手な想像にすぎないけど、初に救われていた部分もあったはず」
「どうだろうね。今となってはわからない。あの人は柔らかくなったからね」
「幸せを見つけたんだよね」
「きっと。……まだまだ心配だけどね」
「いやー、人と違って時間ありそうだからなー、ものすっごく歩みは遅いかもねー」
「まぁ、見守らせてもらおう。それが楽しみでもあるし」
「……あ、花王との関係とか聞きたい」
「さぁ!ここいらが潮時だろう!?」
「はいはい、ノーコメントね」