家に帰ると、珍しくお母さんがいた。

「あら、瑠稀じゃない。居たの?」

「うん。」

「そう。お母さんちょっと用事あるから、1階には降りて来ないでね。いい?」

「分かった。」


どうせ男と寝るんでしょう。

お母さんは16で私を産んで、育てた。
育てたと言っても、最初だけだった。
お父さんと別れてからは、ずっと、キャバクラで働いて、男に貢がせて、自分はホストに貢いで。
だから私は物心ついたころは殆どのことはひとりでできていた。

私は、物音を立てないように、そっと2階へ上
がった。