時は変わって放課後になり、修と一緒に帰ろうと思う。
  ・・・遅い。かれこれ10分は待った。
何か事情があるかも知れない。もう少し待とうかな・・・



「由宇!ごめん、遅くなった!」



呼吸を整えながら言う修を見てると、微笑ましくなった。
  まぁ、いっか。



「平気。行こう?」



私が言えば、修は笑って、



「そうだな!」



と言って、手を繋ぎ出した。私は驚き戸惑う。
  いきなりってのも有るし、初めてだったから・・・




「あっ・・・ごめん。驚いた?」



私は頷く。少し、申し訳なさそうに手を放す修に私は、自分から手を繋いだ。
  修は驚いたみたいで、



「由宇!?」



と、目を見開いた。少し、面白い。



「これが、修のしたいことでしょ?
仮にも彼女?になったんだもん。修の喜ぶことをしたい。」



私が言えば、修は優しく笑った。
  さっきまでに無かった笑顔だった。
さっきまでは、明るくて・・・周りを照らすような笑顔で、
今の笑顔は、優しくて・・・何かを包み込むような笑顔で微笑んでしまう。