安田さんの家に戻ると、葉太と春斗はすでにソファに座って何か話してた。

雰囲気がいつもと違う。

………彼に何があったのか、分かるんだ。


「…美波、これから希龍のこと話すけど、大丈夫か?」

「…うん、大丈夫」

覚悟ならもう出来てる。

会いに行く覚悟も、伝える覚悟も。


「単刀直入に言う。あいつ今、総合大学病院にいるんだ。」

総合大学病院…?

何で?

もしかして、病気?事故?

希龍くんが入院してるの?


「ばーか、心配すんな。あいつが入院してるわけじゃねぇから。」

「……じゃあ、何で…?」

「お見舞い。」

隣に座ってた蒼空くんが、イラついたように少し大きな声でそう言った。


「お見舞い?誰の…」

そのときふと難波くんの言葉を思い出した。

「総合大学病院の503号室…」

ポツリと口に出す。