千尋side


「お嬢?」


「どうされました?」


心配してくれる組員を無視して部屋に向かう。


思いっきりドアを閉め、クローゼットを開けた。


この奥のどこかに…。


「あ、あった!」


私が探していたのは、ピンク色の大きいカバン。


本当はピンク嫌なんだけど、お母さんが買ってくれたのものだから大切に使ってる。


中1の時に家出した時も、このカバンを使ったんだ。


また…このカバンを使うことになるなんてね。


「さてと、詰め込もうかな!」


そう。


私はまたこのカバンで家を出る。