夏の暑さもだんだん少なくなって来た、9月上旬。

 夏の球技大会も上手く行き、その後友達も増えた。
中三の最近まで、友達が少なかったなんて・・・・驚きだ。

 最近は、受験シーズン。
皆勉強に励み、口数も少なくなってきている。

 そんな中、今日は冬彦と二人で学校へ向かっている。
・・・・今日は、何だか気まずい。話題が出てこないのだ。
彼はテンションが低め。何かあったのかな?
・・・・と、オドオドしながら帰ってます。

 このまま帰るのか、と思った時。

「なあ、春香?」

 やっと口を開いてくれた。
 でも・・・その後の話は、聞きたくなかった。

「んー、どうしたの?」

 そう返事をしてみる。
彼はためらいがちにも、小さな声で言った。

「・・・あのさ、春香は・・・・。
 遠藤の事が、好きなのか?」

と。

「・・・・え?」
「だ、だからっ・・・・・
 春香は、遠藤が好きなのか?って!」
「・・・・え!?
 そ、そんな事ないよっ・・・・!」

「・・・じゃあ、球技大会の時のあれは?」

冬彦は・・・・試合終了の後に慰めてもらっていた、あの時の事を言っているのだろう。
でも、なんでそれが関係するの?

「・・・・あれは、ただ慰めてくれてただけ、だよ?」
「それ、嘘だろ?
 本当は、俺なんかどうでも良くなっちゃったんだろ?」
「そんな事ないよ!!
 なんでそんな事言うの!?」
「・・・・もう良いよ!!」

そう言い残して、冬彦は走って行ってしまった。
 一人取り残された私。
彼に信頼されていないの?

「・・・誤解だよっ・・・」

 なんで、貴方はそんな勘違いをしてしまうの?
私が悪いのですか?
あれは何でもないのに・・・・

・・・・もしかして。

「冬彦・・・・
 貴方のその気持ち。
 嫉妬ってやつ、ですか?」


朝のすっきりした空気の流れる空を見ながら、そう問いかけた。