もうすぐで夏。
ある日のホームルームの時間。
「えっと、あの、今日の議題なんですけどっ・・・・、」
「いいんちょー、ちゃんと進めてくれないー?」
今日もまた、この調子で始まった。
一度、学級委員長を頑張ろうかとも思ってみたものの、あがり症な私にとっては・・・・
非常に辛い物だった。
クラスの皆は、そんな私をからかうのが定番。
最近は、そのからかいも度を越えてるし・・・・。
これが「いじめ」ってやつ、だろうか。
「・・・・ごめんなさい。
今日の議題・・・は、【 夏の球技大会 】に、ついて、です。
球技は、サッカー・バレー・バスケの三つ.なんですけど・・・・」
説明しながら、三つの球技名を黒板へと書いていく。
・・・皆、話ちゃんと聞いてるかな・・・。
そんな不安でオロオロしてた時。
「委員長は、何やんの?」
一人の男子が、そう問いかけてきた。
彼は・・・・、遠藤雄図くん。
クラスのムードメーカー的存在であり、男女共から人気の高い人。
・・・私は、冬彦一筋だけどね。
「え、私?
私は・・・・バスケ、です。」
「へーえ・・・・そうなんだ。
じゃあ俺、バスケやるわ。」
そう宣言すると、席を立って黒板の前まで来て、「バスケ」と書かれている下へ、
「遠藤雄図」
と書き席へ戻った。
・・・遠藤くん、私の代わりに、皆に書き方を説明してくれたんだ・・・・!
「あ・・・・、
じ、じゃあ、皆さんも、遠藤くんみたいに、
自分がやりたい球技名の下に名前書いてくださいっ!」
初めて、はっきり言う事ができた──!
でも、皆は自分の発言で動いてくれるのだろうか?
私の言う事なんか、聞いてくれていただろうか?
・・・そんな不安、疑問は必要なかった。
心配しなきゃいけないのは、動いてくれた「後」だったのだ。
皆、黒板に名前を書いてくれたのは良かったんだけど。
私と遠藤くんが入った「バスケ」には、
遠藤くんと親しい男子『二名』しか入っていなかったのである。
「あ、あのっ・・・・
皆さんの中で、バスケに移ってくれる人・・・いないですか?」
その一言で、クラスは一気にざわざわとし始めた。
──うわ、バスケ4人しかいないぜ・・・!──
──バスケに移る?──
そんな会話が聞こえてくる中、
一番聞きたくない言葉が、耳に入ってきてしまった・・・・。
──でもさ、深里さんと一緒なの、嫌なんだけど──
──わかるかも、それ!──
バスケに入りたくない理由くらい、少しは予測できていた。
でも、実際にその理由を、直接聞きたくなかった。
心の何処かで、「其れ」を否定している自分もいたから。
・・・私、やっぱり嫌われてるんだ。
「・・・・・ごめんなさい・・・・・」
そう呟くと、私は知らない内に教室を飛び出していた。
皆の目が、此方に向いていた事も気にせず。
何処に行くか。そんなの分からないけど、ただひたすらに走って。
走って、走って、全力で走って。
今なら、どれだけ走っても、全然疲れない気がした。
後ろで先生の怒号が聞こえたけど、そんなの気にならない。
私を一人にさせて・・・・!!
ある日のホームルームの時間。
「えっと、あの、今日の議題なんですけどっ・・・・、」
「いいんちょー、ちゃんと進めてくれないー?」
今日もまた、この調子で始まった。
一度、学級委員長を頑張ろうかとも思ってみたものの、あがり症な私にとっては・・・・
非常に辛い物だった。
クラスの皆は、そんな私をからかうのが定番。
最近は、そのからかいも度を越えてるし・・・・。
これが「いじめ」ってやつ、だろうか。
「・・・・ごめんなさい。
今日の議題・・・は、【 夏の球技大会 】に、ついて、です。
球技は、サッカー・バレー・バスケの三つ.なんですけど・・・・」
説明しながら、三つの球技名を黒板へと書いていく。
・・・皆、話ちゃんと聞いてるかな・・・。
そんな不安でオロオロしてた時。
「委員長は、何やんの?」
一人の男子が、そう問いかけてきた。
彼は・・・・、遠藤雄図くん。
クラスのムードメーカー的存在であり、男女共から人気の高い人。
・・・私は、冬彦一筋だけどね。
「え、私?
私は・・・・バスケ、です。」
「へーえ・・・・そうなんだ。
じゃあ俺、バスケやるわ。」
そう宣言すると、席を立って黒板の前まで来て、「バスケ」と書かれている下へ、
「遠藤雄図」
と書き席へ戻った。
・・・遠藤くん、私の代わりに、皆に書き方を説明してくれたんだ・・・・!
「あ・・・・、
じ、じゃあ、皆さんも、遠藤くんみたいに、
自分がやりたい球技名の下に名前書いてくださいっ!」
初めて、はっきり言う事ができた──!
でも、皆は自分の発言で動いてくれるのだろうか?
私の言う事なんか、聞いてくれていただろうか?
・・・そんな不安、疑問は必要なかった。
心配しなきゃいけないのは、動いてくれた「後」だったのだ。
皆、黒板に名前を書いてくれたのは良かったんだけど。
私と遠藤くんが入った「バスケ」には、
遠藤くんと親しい男子『二名』しか入っていなかったのである。
「あ、あのっ・・・・
皆さんの中で、バスケに移ってくれる人・・・いないですか?」
その一言で、クラスは一気にざわざわとし始めた。
──うわ、バスケ4人しかいないぜ・・・!──
──バスケに移る?──
そんな会話が聞こえてくる中、
一番聞きたくない言葉が、耳に入ってきてしまった・・・・。
──でもさ、深里さんと一緒なの、嫌なんだけど──
──わかるかも、それ!──
バスケに入りたくない理由くらい、少しは予測できていた。
でも、実際にその理由を、直接聞きたくなかった。
心の何処かで、「其れ」を否定している自分もいたから。
・・・私、やっぱり嫌われてるんだ。
「・・・・・ごめんなさい・・・・・」
そう呟くと、私は知らない内に教室を飛び出していた。
皆の目が、此方に向いていた事も気にせず。
何処に行くか。そんなの分からないけど、ただひたすらに走って。
走って、走って、全力で走って。
今なら、どれだけ走っても、全然疲れない気がした。
後ろで先生の怒号が聞こえたけど、そんなの気にならない。
私を一人にさせて・・・・!!