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文化祭当日の初日。

天気は雲1つ無い快晴だ。


生徒会長の掛け声で摂校文化祭が開催された。


文化祭は2日間行われることになっている。


朝からも次々とたくさんの人が来てくれている。


まだ始まったばかりなのに賑やかに騒ぎ始める。

各クラスでもいろいろな宣伝が飛び交い、ヒートアップしていた。


「うわぁ、マジで
白鳥女子も来てるじゃん!」

「当たり前だろ。俺の知り合いにちゃんと宣伝してもらったんだからさ」

「さすが、蒼次だよな」


きょろきょろと目を輝かせている陽平はいつも以上にテンションが高い。


「よし、俺らも
宣伝しないとな。な、貴之」

「あぁ、負けられないな」

「もちろん、たくさんの
女子をお持ち帰りするぞ!」


もう勝手にしてろって突っ込みたくなった2人だった。


お昼が過ぎるとさらに人の数は増えた。


去年よりも多くて、賑わっているらしい。

執事カフェは言うまでもなく人気だ。


あわただしく過ぎる一方で客足が途絶えることはない。


「お帰りなさいませ、お嬢様」


こんなくさいセリフも時間が経つにつれて慣れてしまった。

というよりは麻痺しただけかもしれないが。


陽平は甘い言葉をかけながら調子を上げる。


蒼次もいつもの調子で仲良く時間を過ごしていた。