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時は勝手に過ぎていく。

俺の思いとは別空間のように。



出逢ったときから少しずつ話しかけて、俺のことを知ってもらおうと努力はするものの、返される言葉は1つ。


「ふ~ん」


たったそれだけ。


情けないところばかり横で見てる陽平は腹を抱えていた。


そんな情けない俺なのに、なぜか周りの女子からの人気度は上がる一方だった。


あの無愛想な茜のために幼なじみだからと話しかけるところが好印象らしい。

それを聞いた陽平は悔しそうにしていた。



そんな毎日が過ぎ、一緒に梅雨も過ぎた。


明日から夏休みに突入するこの夏。

そんな俺にも嬉しいプレゼントをくれた。


それは夏の講習。


明日から行われる講習が茜と同じだからだ。

マジで嬉しくて仕方がない。


終業式の校長の挨拶とか、夏休みについての注意なんて上の空だった。



やっと始まった講習1日目。


ドアを開けるとクラスにいるのは20人ほどの少数クラス。


教室のドアを開けると蒼次が手を振ってくれていた。


促されるように席に着く。

よくみると蒼次以外にも陽平もいて、あの明音ちゃんもいる。


茜は明音ちゃんの横に座っていたけど、全く視線を合わそうとしてくれなかった。


というよりもやっぱり機嫌が悪いのは無愛想だった。