「俺――…」


パパーーーーーーッ!!!!


俺の最後の記憶は自動車のクラクションを最後にプツリと途切れた…。




◇◆◇◆◇



次に気が付いた場所は真っ白な空間。


窓もドアも何もない閉鎖空間だった。


前後の記憶を無理やりに繋げようとする。



「俺って…」



繰り返し思い出そうと思い出を手繰り寄せていく。



俺は誰だ。

確か何かを誰かに言おうとしていたはず。


ズキッと頭に痛みが走った。



「痛って…!」



その痛みの衝撃で、俺に起こった全てのことを思い出す。


「俺、どうしても
言いたかったことがあったんだ」


そう、たったひとりの愛する君に。



思い出した全ての記憶が確かならば、ここが異空間ならば、きっと俺は現在には存在しないだろう。