「昨夜冬美を抱いて決心した。

表の顔は、意地っ張り・・・

でも裏の顔は、全然違う…

弱くて、繊細で・・・

オレが冬美を守る…

オレと結婚してほしい」


・・・け、

結婚ですって?!

何の冗談?

冗談にしては行き過ぎよ・・・


「ふ、ふざけないで!

三十路の女捕まえて、

結婚なんて言葉を、気安く使わないで!

アンタみたいな、若造に、

私のなにが分かるっていうのよ?!」


そう言い捨てて、

私は翔から逃げ出した。

・・・

記憶があいまいでも、

抱かれた体の感触が、

しっかり残ってる・・・

私はそれをかき消すように、

ふらつく足で、自宅へと帰っていった。