放課後。 久々にバイトの休みを取った私は、ちんたらと廊下を歩いていた。 いつもならHRが終わったと同時に、スタートダッシュを決め込むからなぁー……。 ゆっくり過ごせる時間があるっていいね。 と、前方に見知った背中を発見。 あの怠そうに歩く男なんて一人しかいない。 小走りで駆け寄り、後ろから背中を押す。 そして、よろけた彼を見て、私の口元が自然と緩んだ。 「……灑良だろ」 『よく分かるね』