翌日、天気は輝かしいほどの晴れ。
綿飴のような柔らかそうな雲が
空にちぎれて浮かんでいた。




「おい、邪魔。そこをどけろ童顔」




制服を着た生徒が点々と見かけられる通学路。


理恵は昴を見つけ、喧嘩を売るために言い放つ。


しかし昴は振り返り、
買い言葉を言うことはなかった。


理恵は不信に思いながらもう一度声をかけてみる。
今度はさっきよりも少し大きい声で。




「聞いてるのか?とうとう聴覚がいかれたか?」

「..........」




しかし返事はない。
昴は俯きながら何かを考えているようだ。


理恵も不信を通り超し、
さすがに心配になる。


「なぁ、大丈夫かお前」

「うわっ!!」