広く静かな空間に、リュウガの声だけが静かに響く。


リュウガがどういう意味でそう言ったのか、いや、もしかしたら意味なんて初めからなかったのかもしれない。




「今日は俺も帰らない」





ただ立ち尽くす私とは裏腹に、リュウガは何事もなかったかのように私から手を離すとそのままリビングを後にした。



ドクンドクントと心臓は音を止めることなく大きく鳴り響いている。

さっきのリュウガの言葉がまるでエコーがかかったみたいに私の耳の奥を支配して現実から遠のいていく。




私どうかしてる、何でこんなに心臓がうるさいの。



さっきリュウガが触れた頬をなぞりなが思わず床へとしゃがみこんだ。