放課後の集会が終わり、工場跡地からヤンキーたちがぞろぞろと帰っていく。






「おいタツ」




俺はタツを呼び止める。



「なんですか?」


「最近未唯はどうしてる?」


「え?姉御っすか?」






ブスッと不機嫌な俺にタツは遠慮がちに答える。




「あ~…自分は最近姉御と喋ってないんで分かんないっすね」


「は?」


「あ…いや、すみません、お役に立てなくて本当に申し訳ないっす…」


「……………」




眉間にシワを寄せる俺にタツは慌てて頭を下げる。




「あの…姉御と何かあったんすか?」


「……別に」





俺はタツから顔を背ける。



つーか

彼氏の俺がなんで未唯のことをタツに聞いてんだ。



あほかよ俺は。




だけど

今の俺は思わずそうしてしまうくらい未唯のことが分からなかった。