「陣さんて姉御にはすげぇ優しいんすね」




翌日

休み時間の廊下でタツが言う。


偶然すれ違って「最近どうですか」と聞かれたから昨日のことを話してみたんだ。




「普段の陣さんからは想像も出来ないっすよ」


「////」





陣をよく知るタツにそんな風に言われるとすごく嬉しい。




「イジメとかは大丈夫っすか?女の妬みは怖いっすからね」


「あはは、大丈夫だよ!たまに上靴がなくなったりするけど」


「え?」


「でもイジメとは限らないし職員スリッパとか借りれるから大丈夫だよ~」






陣と付き合う前から、上靴を無くしちゃったりすることあったし。



例えば中学生の時にも下駄箱から靴が毎日のようになくなることがあったんだけど


その時の犯人は近くの野犬だった。



あたしが毎日エサを与えてたせいで、あたしの匂いを探して学校まで来てたみたい。



後日、空き地の土管の裏(野犬の溜まり場だったらしい)から


あたしの靴が大量に発見されるという事件があった。





だから人を簡単に疑ってはいけないんだよ。


特にあたしの場合は。