「香坂ー、香坂、居ないのかー?」



ここ、琥珀高校に入学して早二ヶ月。木
々は青々と多い繁り、前線は発達して、
雨を降らせる6月―――……。



私、篠田 希美<シノダノゾミ>のクラス、一
年三組では、朝の出欠確認でいつも一定
の所で止まる。



先生が何度もその名前を連呼しているの
を横目に、私は頬杖をつきながら、小さ
なため息をついた。




またか。



そう思うのは毎日の事で、もうそう思う
ことに慣れてきてしまった。



―――香坂 禊<コウサカ ミソギ>。

校内きってのプレイボーイで、目印は、
ギラギラしてる金髪。