『希美ちゃんっ―――……』



ジャングルジムから落ちる間際で、映っ
た彼の表情は、すごく驚いていて。



大丈夫だよ、心配しないで―――……






「和馬(かずま)、君……」



そう呟きながら目を開けると、広がって
いたのは、思い描いていた景色とは違っ
た。



―――真っ白な、天井。



ああ、あれは夢か……。随分と懐かしい
夢だったな……。



そういえば、萌を庇って意識を失ったん
だと思い出す。



あの日と、合わせて、意識を失ったのは
二回目ね……。



そんなことを思いながら、無性に、彼に
会いたい、と願った。



しかし―――