美梨と涼太が石垣空港に降り立つと、
あいにくの曇り空だった。


それでも海はエメラルドグリーンに
光り輝き、こんなに美しい海を生まれて初めて見た美梨は感動した。


「ありがとう、涼太。
石垣島って、すごく綺麗なところね」


ホテルに向かうシャトルバスの中で美梨は言った。


涼太は、以前にも出張で石垣島に
きたことがあると言っていた。


「そう。絶対美梨は気にいると
思ったから、連れてきたかったんだ」


涼太は美梨の肩を抱き、耳元で囁いた。


二人は新婚夫婦そのものだった。



涼太は美梨のために石垣島でも指折りのリゾートホテルを予約してくれた。


バルコニーに出るたび、素晴らしいオーシャンビューの眺めに美梨は感嘆の溜息をついた。


広々としたスペイン風の調度の部屋。


窓際に置かれた座り心地の良い一人掛けのソファーで読書をし、飽きたらプールで泳いだり、エステやネイルサロンで過ごした。


美梨は一人は慣れていたから、一人でも楽しむ術を知っていた。