そのあとしばらくしてから、和田さんからメールが届いた。


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件名:食事の件
本文:午後は社外に出てしまうので、20時に駅前のカフェで待ち合わせましょう。
店はこちらで探しておきます。
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用件のみの、呆れるくらい素っ気ないメール。


人目につきやすいエントランスで待ち合わせたら、居合わせた社員が噂を立ててくれるかも、なんて調子のいいことを考えていたけれど、そんな目論みも敢えなく崩れた。


だけど。
誰にも知られないということはつまり、今夜何があっても二人の秘密にできるってことだ。


葛城主任にバレるリスクがなければ、和田さんもあたしに手を出してくれるかもしれない。
そう、この前のあの夜のように。


もうすぐ19時。
和田さんとの待ち合わせまであと一時間だ。