その日から、あたしの中で間宮さんに対する印象や態度が少しずつ変わっていった。

間宮さんもまた、あたしに対する態度が少し変わり、面倒そうにしながらも、固かった雰囲気がどことなく和らいだように思う。


「間宮さん、起きてください、もう10時です。お部屋の掃除ができません。朝ご飯も、片付けられないので早く食べてください」

「……あーもー、いちいちうっさい。一体なんなんだよ、お前は。小姑か!」

「菜月です、ってば。お前でも小姑でもありません。いい加減、覚えてくださいよ」


間宮さんが汐凪に宿泊しはじめてから、かれこれ1週間になろうとしていた。

カレンダーを見ればそろそろ8月に入ろうとしていて、暑さはより一層増している。


朝に弱いのか、遅くまで起きているのか、間宮さんはとにかく起きてこなくて、今のように強引に起こすこと、早5回。

今日もあたしは、掃除機と掃除道具を片手に、間宮さんが泊まっている「潮風の間」のドアを彼が出くるまでノックし続けた。


「ヘーヘー、菜月サン」

「……なんですか、その棒読みな感じは。まあ、とにかくです。いろいろと片付かないので、まずは下で朝ご飯を食べてください」

「ヘーヘー」

「……」