「君、今日の放課後屋上に来てくれないか?」
「はい?」
誰だろうこの人。
顔が整ってて、それなりの雰囲気を漂わせた、いわゆる美形に部類されるであろう男子。
周りからきゃあきゃあと悲鳴のような甘ったるい声が響く。
ナニコレ。
まるで何かのドッキリじゃないか。
それぐらいの勢いだった。
「それじゃあ僕は失礼するよ」
満足したのか、取り巻きを連れて教室を出て行ってしまった。
「何だったんだ今の…」
不思議に思いながら、今朝買ったパンにかじりつくと、一斉に女子が私の机を囲む。
今度はなに…。
「ねえねえ、今の告白?そういう関係なの?」
「えー何それ!あたし狙ってたのにー」
告白って…リンチの間違いでしょ。
私なんかにそんな告白する奴なんているわけないって。