あるとき、ある部屋。

そこには、二人の青年がいた。

年齢は、23、4歳ぐらいだろうか?

一人の青年はもう一人の青年の首をきつく絞めている。

もう一人の青年は苦しそうにもがいている。

「ぐっあっ・・・がっう!・・・がはっ!ぐぬッ・・・やっめ!」

「ごめん、ごめん、ごめん、ごめん!!死ね・・・」

最初の言ってる言葉と裏腹に、最後の言葉はとても不吉な言葉だった。

一人の青年は泣いている。

だが、一切やめる気配はない。

一人の青年は悲しみと憎しみという訳も分からないような、感情が入り混じっていた。

一方の、もう一人の青年は、口から唾液を垂らしている。

とても、苦しそうだが、もがいているが、抗っていない・・・。

まるで、「俺を殺せよ」と言っているみたいに。

そして、それに甘えるかのように一人の青年はもう一人の青年の首を絞めている。



もう一人の青年は一人の青年の頬を撫でた。

そして、こう言った・・・

「お前・・・ぐぅ・・・しっ死ぬなんて・・・ありえないからな・・・ああっ!・・・お前が死ぬなんて・・・。」

「俺は・・・はっく!・・・お前にっ・・・殺されても・・・がっはっ・・・構わない・・・か・・・・・・・・・・・・ら」

最後まで言うと、もう一人の青年は、一人の青年の頬を流れるように手を落とした。

もう一人だった青年の最後の言葉の意味は・・・一人の青年は、知らない。



なぜなら―――――

















一人の青年は、

自分が生きている意味さえ知らないのだから・・・。